派遣とは何か？正社員との違いをわかりやすく図で解説！

「派遣」という働き方は広く知られていますが、その実態やメリット・デメリットを正確に把握している人は意外と少ないかもしれません。実際、「派遣」という言葉に否定的なイメージを持つ人もいます。本記事では、今まで意外と知らなかった派遣と正社員の違いを分かりやすくイラスト図を使いながら解説します。

派遣とはどんな働き方？

派遣会社と派遣先企業の関係

「派遣」という働き方を理解する上で、まずは『派遣会社』と『派遣先企業』の関係を把握することが重要です。これにより、「派遣」の仕組みがより理解しやすくなります。

上記の図を参考に解説すると、働く人が足りない『派遣先企業のA工場(仮名)』が人を集めるために『派遣会社T社(仮名)』に人を集めてほしいと依頼する(契約する)ことで派遣会社T社が「A工場で働きませんか？」と求人を出します。

そして、その出された求人を求職者(仕事を探している皆さん)が見つけて応募、『派遣会社T社』との面談やヒアリングが行われます。条件面など問題なさそうであれば、多くの場合実際に働く『A工場』の職場見学に移ります。職場見学は派遣会社T社のスタッフも同行し行われます。

A工場の見学を終え、問題が無ければ派遣会社T社に入社の意思を伝え入社の手続きが行われます。

派遣社員の仕組み

派遣会社と派遣先企業の関係や応募までの流れが見えてきたところで、実際入社となった場合、派遣社員はどのような位置づけとなるのか確認しましょう。

入社が決まった場合『派遣会社T社』と雇用契約を結び、『派遣先企業のA工場』に派遣される形となります。

したがって実際に仕事を行う場所はもちろん『A工場』となりますが、派遣社員の雇い主は『株式会社T社』の為、福利厚生や社会保険などは派遣会社T社のものが適用されます。あくまでA工場は業務の研修や指示を行うだけなので、シフトの相談や職場関係の悩みも派遣会社T社に行います。

派遣の種類

登録型派遣（有期雇用）

登録型派遣は、派遣会社に登録をしておくことで、派遣会社が求人情報に合った仕事を紹介してくれる派遣です。一般的に『派遣』と聞くとこのタイプを考える方が多いのではないでしょうか。派遣会社が出している求人情報に応募し、面接などの選考を経て派遣先企業に派遣される形式も多くがこの形に当てはまります。

最長で3年という派遣就業期間が決まっているので、この期間が終了したら派遣会社との雇用関係も一度終了します。派遣就業の度にこれが繰り返されることになります。

紹介予定派遣

紹介予定派遣は、派遣会社が求職者を派遣先企業に紹介する際に、一定期間の派遣期間（最長6ヶ月）を設け、その期間を経て派遣先企業が求職者を正社員として採用するかどうかを判断するタイプです。派遣期間中に派遣先企業との相性や業務内容を確認し、その後正社員として雇用される可能性も高く、実は人気が出てきている形態です。

常用型派遣（無期雇用）

無期雇用派遣または常用型派遣は、派遣会社と派遣先企業との間で長期的な取引がある場合に行われる形式です。派遣会社が定期的に派遣社員を派遣先企業に送り込み、定期的に業務をこなす形態です。契約の更新など必要なく、月給制である場合も多いので収入面も安定しています。

派遣社員と正社員の違い

・雇用主

同じ企業『B社（仮）』で働いていても、正社員は『B社』に直接雇用されているのに対し、派遣社員は派遣会社との契約に基づき、派遣先に雇用され『B社』に派遣される形となります。そのため、社会保険に関する手続きや休暇の管理も正社員であれば就業先の企業（B社）が行いますが、派遣社員は全て派遣会社が行います。

・福利厚生

正社員と派遣社員の待遇差を解消する「同一労働同一賃金」が導入されたことにより、不合理な待遇差は無いように決まっていますが、企業と派遣企業の福利厚生の差で利用できる制度などに差が出る場合もあります。大きな例として挙げられるのが賞与やボーナスの差などです。

・就業期間

正社員は長期的な雇用を前提としており、雇用契約に定められた研修期間や条件を満たせば、無期雇用となる場合が多いのに対し、派遣社員は派遣会社の契約期間に従い業務を行うため期間が限定されていることが一般的です。

派遣社員はメリットがない？

派遣は雇用期間が決まっている場合が多く、安定しないイメージがある為マイナスなイメージを持つ人も多くいるのは事実です。しかし、自分のライフスタイルに合わせて働けたりともちろんメリットもあります。

学歴ではなく、人柄やスキルで募集をかけている仕事も多く、未経験から様々なキャリアを広げられるのも魅力。雇用期間の定めなく安定感抜群の正社員にもデメリットはあるので、雇用形態にとらわれすぎず、その違いや魅力を理解し自分に合った働き方を選びましょう。