近年、テレワークやリモートワークが一般的になる中、面接もオンライン上で行われることが増えています。このようなWEB面接(オンライン面接)は、従来の対面式面接とは異なる特徴があります。本記事では、WEB面接における基本的な知識や準備、マナーについて解説します。
WEB面接(オンライン面接)とは
WEB面接は、対面式の面接と同様に採用選考プロセスの一環として行われる面接の形態ですが、対面ではなくオンライン上で行われます。ZoomやSkype、Teamsなどのビデオ通話ツールを利用して、遠隔地や自宅などから面接を受けることができます。
WEB面接に必要な準備物
対面式の面接でも事前に準備を行うように、WEB面接をスムーズに行うためにも、いくつかの準備が必要です。
オンライン接続できる機器
機器はパソコンがあれば望ましいですが、タブレットやスマートフォンからの参加でも大丈夫です。スマートフォン等は固定させるアクセサリーなどがあればブレも少なく安定した状態で自分を映すことが出来ます。事前に充電状態なども確認しておきましょう。
スマートフォンをそのまま机に置いて顔を映し出すと目線が下向きになりがちです。上から目線のように感じられ、相手から良い印象にならないのでスマートフォンやタブレットを使う方は目線がカメラの高さになるよう確認しておきましょう。
インターネット環境・ビデオツール
WEB面接には安定したインターネット接続環境が必要です。指定されたビデオツールを問題なく起動することが出来るか、画面や音声に問題ないか、事前(出来れば当日ではなく数日前~前日)にテスト通話を行い確認しましょう。ビデオツールによってはアカウント作成が必要なものがありますので面接日までにしっかりと作成しておきましょう。アカウント名はニックネームなどカジュアルなものではなくフルネームで登録しましょう。
インターネット環境はもちろん、ビデオに映ったときの部屋の明るさや背景なども事前に確認しておきましょう。部屋が暗いと顔の印象も暗く見えてしまいます。場合によってはLEDライトなどを使用するのもおすすめです。ツールによっては背景を変更できるものもありますが、基本は部屋の無地の壁を背に行いましょう。
イヤフォン(ヘッドセット)
スピーカーの使用でも大丈夫ですが、通信の不具合や周りの環境に左右されずに音声を聞き取る為には、イヤフォンやヘッドセットを使用するのが望ましいです。ヘッドセットを着用する場合はシンプルなデザインのものを選びましょう。また無線のものより有線の方が接続トラブルも起こりにくいのでおすすめです。
企業資料や履歴書など
WEB面接では企業書類や履歴書を手元に準備しておくことも可能です。必要な時に確認ができるようプリントアウトしたものを準備しておきましょう。また、ネットワークが途切れた際など急なトラブルにも対応できるよう、面接担当者の連絡先を控えておくと安心です。
WEB面接当日のマナー
面接環境
面接を行うの基本自宅がベストですが、工事などで周りの音がうるさくて受けれる状況ではないなど、やむ負えず自宅以外ので行う際には面接担当者に事前に説明しておく方がスマートです。「大変申し訳ありませんが、今回〇〇という状況で〇〇で面接を受けさせていただきます」などと、自分から先に説明しましょう。
自宅以外の面接場所ついて
自宅以外では下記のような場所がおすすめです。
【大学や図書館】
最近ではWEB面接用のスペースが施設内に設置されている場合も多いです。
Wi-Fiなどのネットの通信速度が遅い場合が多いので注意が必要です。
【レンタルオフィス】
個室であればより望ましいでしょう。
お金はかかってしまいますがWi-Fiの環境も良く、静かな環境を作れます。
【ホテルの一室】
県外での転職活動中にWEB面接を受けることになった場合などはホテルの一室で受けることも可能です。
Wi-Fi環境や照明、机なども揃っている場合が多く、ホテルによっては宿泊なしで利用できるデイユースというサービスもあります。
※上記以外のカフェや車内、カラオケボックスなどはおすすめできません。
服装や髪型
服装や髪型のマナーは対面面接と同様、清潔感のある服装(基本上下スーツ)を選び、髪型も整えましょう。基本上半身しか映ることはないと思いますが、機器のトラブルや書類を落としてしまった際など下半身が見えるリスクもゼロではないので上下しっかりとした服装で参加しましょう。髪型も明るい髪色は避け、顔の印象を少しでも明るく見せるために、前髪が目にかからない髪型にしましょう。
基本マスクの着用はNGです。自宅以外で面接を受ける場合など、やむ負えない事情がありマスクを着用したい場合は無地のマスクを選び、事前に面接官に説明しましょう。
通知設定のオフ
面接中に通知音が鳴ると、集中力が欠けてしまうので通知音をオフにするか、ミュートにしておきましょう。またPCだけではなく手元にスマートフォンがある場合も相手に音が聞こえてしまわないよう、通知をオフまたは機内モードにしておきましょう。
ログイン時間
企業側から指定がない場合は入室は5分前がおすすめです。あまり早く入室しすぎると面接官がまだ準備中の場合があります。面接担当者がログインした時点で面接はスタートとなりますので先に入室し準備しておきましょう。面接がスタートしたら対面面接のように立ち上がる必要はありませんが、先ずは挨拶・名前を伝えお辞儀をします。
面接官が複数人いる場合は、全員そろってからのスタートとなりますが、それぞれの面接官が入室した際の挨拶は忘れないようにしましょう。話を振られない限り全員が揃うまで静かに待機しましょう。
目線や表情
面接担当者の話を聞く際は画面を見ていても大丈夫ですが、画面を見ている状態は相手から見て目線が外れている状態なので、自分から発言する際はなるべくカメラに向かって話すことを心掛けましょう。対面面接にくらべて画面上では表情が読み取りにくい場合もあるので、柔らかい表情や口角を事前にあげることを意識します。
目線が下がらないようにすることを意識しましょう。準備した履歴書会社資料などはあくまで補足的なモノと考え、確認したい場合は面接担当者に声をかけて許可を取るのが望ましいです。メモを取る場合なども長時間目線が下に下がらないようにしましょう。
伝え方や話し方
ゆっくりはっきりと端的に言葉を伝え、タイムラグで面接担当者と同時に話し出してしまわないように十分な『間』を取ることが大切です。自分の話を終えた際に「以上です」と付け加えるとやり取りがスムーズに行えます。また、面接担当者が話している間はカメラ目線で相槌をうつなど、行動も対面で行う際よりも少し大きめにした方が分かりすく、手振りなども程よく意識的に使うことで熱意や想いが伝わりやすいです。
ログアウトのタイミング
面接が終了したら、ログイン時と同様に着席したままで大丈夫なので、その場で丁寧にお礼の挨拶をしてから通話を切りましょう。企業側が先に接続を切るのを待つのがスマートですが、「どうぞ終了してください」先に退出を促されることもあります。その際は先に退出(ツールの終了)をして大丈夫ですが失礼のないように気をつけましょう。
カンペはNG?WEB面接で好印象を与えるポイント
WEB面接において、カンペの使用は原則的にNGです。企業や面接担当者によって考え方が異なるのも事実ですが、カンペを使用することで、自然な会話が難しくなり、面接官に不誠実な印象を与える可能性があります。しかし、事前にメモをとることは許容される場合があります。カンペを見る動作は基本目線で分かるので、もしカンペを使いたい場合は必要な要点や重要で必ず使いたいフレーズなどを大きく書き出し、参考程度で活用し自然な対話になるよう心掛けましょう。
好印象を与えるために下記の内容を心掛けましょう。
・明るい挨拶がしっかりとできていて、清潔感がある服装や雰囲気
・目線が下に落ちないように、カメラを見ながら話す(面接担当者と視線をしっかりと合わせる)
・表情や相づちなどなるべく大きめのリアクションで相手にわかるよう反応
・自分の伝えたい意図をWEBでもしっかりと伝える為、話し方ははっきり大きく、内容は短くまとめる
・小さな心遣いや音声トラブルが発生した際などのスマートな対応
WEB面接のトラブル対応
インターネット接続トラブル
インターネット接続が不安定で、面接中に通信が途切れることがあります。この場合、まずは再接続を試みます。それでも解決しない場合は、面接実施者に早めに電話連絡し、状況を説明しましょう。再接続が不可能な場合は状況を説明して延期を依頼します。
音声・映像の不具合
音声や映像が途切れたり、不鮮明だったりする場合があります。一部分が聞き取れなかった場合は「申し訳ございません。音声が乱れており、◯◯の後から聞こえていませんでした。もう一度お願いできますか?」と正直に話しましょう。継続して音声や映像の不具合が起きてしまう場合は、まずは自身の機器や通信環境を確認し、問題が解決しない場合は面接実施者に報告し、対処方法を相談します。
画面共有の不具合
面接中に画面共有がうまく機能しない場合があります。この場合は、一時的に共有を解除し、別の方法で情報を提供するか、面接実施者に資料を事前に送付しておくことで対処します。
WEB面接は、従来の対面面接と同じくらい重要な場面であることを肝に銘じ、適切な事前準備とマナーを心がけましょう。対面でやらないことは、Web面接でも基本NGだと考えましょう。はっきりと挨拶を行い自信を持って臨み、相手に良い印象を与えるために努力しましょう。