コールセンターという仕事に対して、「きつい」というイメージを持つ人は多いかもしれませんが、実際の仕事内容や職場環境は意外にも多様で、人によっては「そこまできつくない」と感じる場合もあります。本記事では、コールセンターの仕事内容や給与、職場環境、求められるスキルについて紹介します。
コールセンターの仕事内容
コールセンターの仕事内容は大きくインバウンドとアウトバウンドに分かれます。
インバウンド(受信・受電業務)
インバウンド業務は、顧客や利用者からの電話や問い合わせに対応する受信業務を指します。具体的には、顧客からの問い合わせやクレーム、要望、サポート依頼などに対応する業務を指します。これは、顧客が自発的に電話をかけてきて、その対応をすることを意味します。
カスタマーサポート: 顧客からの問い合わせやクレームに対応し、製品やサービスに関する問題解決を行います。
例えば…製品の動作トラブルの対応や注文のキャンセル手続きなど
テクニカルサポート(ヘルプデスク): IT関連製品やサービスに関する技術的な問題に対応します。
例えば…ソフトウェアのインストール方法やネットワーク接続トラブルの解決など
テレフォンオペレーター: 企業や団体からの電話を受け付け、適切な部署や担当者へ転送する役割を担います。
例えば…会社の問い合わせ電話や受付業務など
アウトバウンド(発信・架電業務)
アウトバウンド業務は、企業や団体から顧客や利用者に対して電話をかけて営業活動や情報提供を行う発信業務を指します。具体的には、商品やサービスの販売、アンケート調査、キャンペーン案内、契約更新の案内などが含まれます。
テレフォンアポインター: 企業や団体からのアポイントメント(約束)を取るために、顧客に電話をかける仕事です。
例えば、営業担当者のアポイントメントを取るために、電話での予約など
テレマーケティング: 商品やサービスの販売促進を目的として、顧客に電話をかけて商品やサービスの説明や販売を行う仕事です。
例えば、新製品の紹介や特別キャンペーンの案内など
コールセンターの平均時給
営業や専門職には及びませんが、平均時給は一般的な事務職より高い傾向にあります。特に首都圏では大手企業や業界リーダーのコールセンターでは、時給2,000円を超える場合もあります。業務に専門性(商品知識など)が求められることや、集中的な電話対応や夜間対応など業務のハードさから時給が高く設定されている場合が多いようです。
首都圏(東京都など)の平均時給:1,582円
九州(福岡県など)の平均時給:1,301円
関西(大阪府など)の平均時給:1,451円
東海(愛知県など):1,373円
※参照:indeed【年収や給与を職種名で検索】(更新日:2024年4月1日)
※より詳しく:厚生労働省職業情報サイト【jobtag】
コールセンターの職場環境
もちろん会社により条件は異なりますが、一般的なコールセンターの職場環境は、以下のような特徴があります。
<勤務時間>
シフト制: 多くのコールセンターではシフト制が採用されており、早朝や深夜などの時間帯も含まれる場合があります。これにより、24時間体制で顧客対応を行うことが可能です。
柔軟性: 勤務時間には柔軟性があり、短時間からでも勤務できる場合が多いです。また、週末や祝日など、自身の都合に合わせてシフトを組むことが出来たりもするので、学生~主婦まで幅広い層に人気があります。
<設備面>
駅チカのオフィス: 多くのコールセンターは公共交通機関で通勤がしやすいよう、駅やバス停から徒歩圏内に位置している場合が多く、通勤の便利さが魅力です。
冷暖房完備: 基本的にパソコンを使って業務を行うので、快適な作業環境を提供するために、オフィス内には冷暖房が完備されています。季節や気候に関係なく、快適に仕事をすることができます。
託児所: 子育て中の従業員に配慮して、一部のコールセンターでは託児所を完備している場合もあります。これにより、仕事と育児の両立がしやすくなっています。
<働き方>
座り作業: コールセンターでは長時間の電話対応が中心となるため、座り作業が主体となります。デスクワークやパソコン作業が中心となることが多いです。
マニュアルあり: 業務を円滑に進めるために、基本的にはしっかりとした研修が行われ、マニュアルやガイドラインが用意されています。これに従って業務を行うことで、一定の品質を保ちながら顧客対応を行います。
テレワーク: 近年ではテレワークを導入しているコールセンターも増えており、自宅やリモートワーカー向けの施策が取られています。場合によっては、自宅からでも業務を行うことができるため、柔軟な働き方が可能です。
コールセンターがきついと言われる理由
時給も高めで整った環境で働けるコールセンターも多いですが、それでもコールセンターがきついと言われる理由はいくつかあります。
高い業務負荷
コールセンターでは通常、大量の電話やメールに迅速かつ正確に対応する必要があります。特にピーク時やキャンペーン時などは、着信が殺到し、ストレスになりがちです。
難しい顧客対応
クレームへの対応など、問題やストレスを抱えた顧客との接触が多いため、精神的な負担が大きい場合があります。時には感情的な言葉や態度に冷静に対処しなければならないこともあります。
長時間の勤務
コールセンターではシフト制が一般的であり、夜勤や早朝勤務など、不規則な勤務時間が求められることがあります。これにより、身体的な疲労やストレスが蓄積されることがあります。また、同じ問い合わせに何度も対応したりと、業務自体が単調な場合も多く、勤務時間が長く感じてしまうという疲れもあります。
キャリアの停滞
一部のコールセンターでは、定型業務に特化したポジションが多いため、スキルや経験を磨く機会が限られることがあり、キャリアの停滞を感じることがあります。
コールセンターに向いている人
コールセンターの業務には、きつい・難しい部分もありますが、その中に楽しみややりがいを見出す人もいます。コールセンターに向いている人は、以下のような特徴を持っていることが多いです。
対人関係が得意
人とのコミュニケーションを楽しむ人や、他人との対話からエネルギーを得る人がコールセンターでの業務に向いています。顧客とのやり取りを通じて人と接することが好きな人は、業務を楽しむことができるでしょう。
問題解決が好き
顧客からの問い合わせやクレームに対して、問題解決に向けて積極的に取り組むことができる人がコールセンターに向いています。課題を克服するプロセスに喜びを感じる人は、業務を充実させることができるでしょう。
柔軟性と適応力を持つ
コールセンターでは、予期せぬ状況に対応する必要があります。そのため、柔軟性と適応力を持ち、新しい状況に素早く対応できる人が業務をこなすのに適しています。
目標志向
成果を出すために努力し、目標に向かって頑張る姿勢を持つ人がコールセンターで活躍できます。目標達成に向けて努力することが楽しみな人は、業務にも前向きに取り組むことができるでしょう。
忍耐力とストレス耐性
コールセンター業務は時にストレスがかかることもありますが、そのような状況にも耐え、冷静に対応できる忍耐力とストレス耐性を持っている人が適しています。慣れるまでに時間がかかるかもしれませんが、仕事だからと割り切れるメンタルが必要です。
コールセンターで活かせるスキル
コールセンターでは様々なスキルを活かし、磨くことが出来ます。未経験からでもチャレンジできるコールセンターも多いので自分のスキルが最大限に活かせる仕事を選びましょう。
コミュニケーション能力
基本的にマニュアルやトークスクリプトがある場合が多いですが顧客と円滑にコミュニケーションを取るためには、優れたコミュニケーション能力が必要です。明確かつ丁寧な口調で話す能力や、聞き手の意図を理解し適切な対応をする能力が重要です。
情報管理能力
複数の情報源からの情報を処理し、必要な情報を適切に抽出して利用する能力が役に立ちます。顧客情報や製品情報など、さまざまな情報を適切に管理し、的確なサポートを提供することが求められます。
パソコンスキル(タイピングスキル)
データ入力やチャットサポートなど、顧客情報をパソコンで入力しながら電話対応を行わなければならない場面も多いです。専門的なスキルが求められることは稀ですが、ブラインドタッチを必須スキルとして求人募集を出しているコールセンターも多くあります。
英会話スキル
国際的な企業や外国人顧客を対象とするコールセンターでは、英語やその他の外国語でのコミュニケーション能力が必要不可欠です。特に、海外からの観光客や留学生などが増加している地域では、英語をはじめとする外国語が話せるスタッフが在籍しているコールセンターの需要が高まっています。
コールセンターはしっかりとした研修が行われる場合が多いので、活かせるスキルを持っている方が活躍できることはもちろんですが、未経験からスキルを身に付けたいという方にももおすすめです。【きれいな言葉遣い】や【営業スキル】が身につく商材も多いので、転職時にも経験が場合も役立ちます。
コールセンターは多様な仕事内容や職場環境があり、適切なスキルや向き不向きに応じて、きつさを感じることもあれば、充実したキャリアを築くことも可能です。自身の志向やスキルに合ったコールセンターでのキャリアを考え、新たなスタートを切ってみてはいかがでしょうか。