医療事務の仕事内容とは?
医療事務は、病院やクリニックなどの医療機関で、患者の受付や会計、診療報酬の請求などの事務業務を行う仕事です。医療現場を支える重要な役割を担っており、医師や看護師と患者をつなぐ橋渡しの役割も果たします。安定して求人が募集されている仕事でもあるので、スキルを身に付けて長く働きたいという方に人気があります。
仕事内容の具体例
病院やクリニックにより業務内容は異なりますが、下記のような業務がメインとなります。
・患者の受付・案内
・診療報酬請求業務(レセプト作成)
・会計業務
・電話対応・予約管理
・患者情報の管理・入力
医療事務に必要なスキル
医療事務で求められるスキルは多岐にわたります。以下に主なスキルを挙げます。
コミュニケーション能力: 患者さんや医療スタッフとの円滑なコミュニケーションが重要です。老若男女問わず対応する場合が多いので、丁寧でわかりやすい説明が求められます。
事務処理能力: 正確で迅速な事務処理が必要です。特に、診療報酬請求業務ではミスが許されないため、細かい作業に対する注意力が求められます。
パソコンスキル: 電子カルテや診療報酬請求システムを使用するため、基本的なパソコン操作は必須です。
医療知識: 医療用語や診療報酬の仕組みを理解することが重要です。医療現場の流れを把握することで、スムーズな業務遂行が可能となります。
医療事務に役立つ資格
医療事務に関連する資格は多数存在しますが、国家資格は存在しません。代表的なものをいくつか紹介します。
医療事務管理士技能認定試験:一般財団法人日本医療教育財団が認定する資格です。医療機関での事務作業全般に対応できる能力を証明します。
<試験情報>
試験日時:毎月第4土曜日翌日の日曜日実施
試験内容:実技試験/学科試験
受験料:7500円(税込)、学科・実技
参考:JSMA技能認定振興協会
診療報酬請求事務能力認定試験:日本医療事務協会が主催する試験で、診療報酬請求に関する知識と技術を持っていることを証明します。医療機関でのレセプト業務に必要な資格です。
<試験情報>
試験日時:年2回(7月、12月)、日曜日または祝日
試験内容:学科試験、実技試験(3時間)
受験料:9000円(税込)
医療事務検定試験:医療事務技能の標準化を目指して日本医療事務協会が主催する試験です。幅広い医療事務の知識と技能が問われます。
<試験情報>
試験日時:毎月 第4土曜日実施
試験内容:学科試験、正誤問題20問 記述問題5問
受験料:7700円(税込)、講座受講料とは別に必要です
参考:日本医療事務協会
医療秘書技能検定試験:一般社団法人医療秘書教育全国協議会が主催する試験で、医療機関における事務業務だけでなく、秘書業務の知識も問われます。
<試験情報>
試験日時:6月と11月の年2回
試験内容:マークシート、レセプト作成
受験料:1級が6500円、準1級が5800円、2級が5100円、3級が4000円
保険請求事務技能検定試験(歯科):日本医療事務協会が実施する資格試験で、請求事務業務に必要な知識と技能を持っていることを証明します。
<試験情報>
試験日時:毎月 第4土曜日実施
試験内容:学科試験、実技試験
受験料:7700円(税込)
参考:日本医療事務協会
医療事務コンピュータ技能認定試験:コンピュータを使った医療事務の技能を問う試験で、医療機関での電子カルテやレセプトコンピュータの操作能力を証明します。
<試験情報>
試験日時:例年6月中旬、11月中旬実施
試験内容:筆記、実技
受験料:6,600円(税込)
調剤報酬請求事務技能認定試験:日本医療教育財団がする主催する試験で、調剤薬局や薬局での報酬請求事務に関する知識を持っていることを証明します。
<試験情報>
試験日時:【会場試験】年6回(奇数月)第3日曜日実施【自宅試験】毎月第4土曜日実施
試験内容:学科、実技
受験料:3,000円(税込)
※試験情報は変更になる場合がございます、詳細は各ページをご確認ください
独学でも試験合格は可能?
試験により難易度は異なりますが、独学で合格することが可能です。ただし、計画的な学習と自己管理能力が求められます。独学で受験する人も多く、特に働きながら学習する人や学費を節約したい人にとっては、独学が有効な選択肢となります。市販の教材や過去問題集、オンラインリソースを活用し、計画的に学習を進めることで、試験合格を目指しましょう。
合格の可能性を上げるヒント
①教材の充実:市販のテキストや問題集、過去問題集などを活用することで、独学で学習することは十分可能です。インターネット上には、学習サイトや動画講座も豊富にあります。
➁計画的な学習:独学では自分で学習計画を立てて進めることが重要です。試験範囲を把握し、計画的に学習を進めることで効率的に勉強できます。
③自己管理能力:自分で学習の進捗を管理し、理解度を確認することが必要です。定期的な模擬試験や自己チェックを行い、理解度を測ると良いでしょう。
独学で受験する人は多い?
・受験者の傾向:医療事務の資格試験は、比較的短期間で取得できることから、独学で受験する人も多くいます。特に働きながら資格を取得したい人や、学費を節約したい人などは独学を選ぶ傾向があります。
・通信講座の利用:独学に加えて、通信講座を利用する人も多いです。通信講座は、独学と異なり、カリキュラムが整っているため、効率的に学習を進めることができます。独学が難しいと感じた場合は、通信講座を併用するのも良い方法です。
未経験や資格無しでも医療事務に従事できる?
実は医療事務は未経験や資格なしでも従事することが可能です。しかしその場合、面接の際に学習意欲やコミュニケーション能力をアピールすることが重要です。市販の教材やオンラインコースで自己学習を行うことで、基本的な知識を身につけておくと良いでしょう。最初は簡単な業務から始め、実務経験を積むことでスキルアップし、専門的な業務にも対応できるようになります。
未経験者の採用理由
医療事務の仕事は、現場での実践を通じて学ぶ部分が多いため、未経験者でも十分に対応可能という考えを持つクリニックも多いです。また、医療機関は常に人手不足のため、未経験者でも積極的に採用されることが多いです。
未経験でも医療事務に従事する方法
職業訓練校やハローワークの活用:職業訓練校やハローワークでは、医療事務の基礎を学べるコースが提供されています。これらのコースを受講することで、基本的な知識を身につけることができます。
医療機関の求人情報をチェック:未経験者歓迎や資格不要の求人を探すことが大切です。特に小規模なクリニックや個人医院では、未経験者を採用し、働きながらスキルを身につける機会を提供していることがあります。
派遣会社を利用:医療事務の派遣を扱う派遣会社に登録するのも一つの方法です。派遣会社によっては、未経験者向けの研修プログラムを提供している場合があります。
自己学習:市販のテキストやオンラインコースを利用して、基本的な医療事務の知識を学んでおくことが有利です。これにより、面接時に基本的な知識があることをアピールできます。
未経験から活躍するポイント
・学習意欲のアピール:未経験や資格なしの場合、学習意欲や自己学習の成果をアピールすることが重要です。例えば、市販のテキストで学んだ内容や、オンラインコースを受講したことなどを面接で伝えると良いでしょう。
・実務経験の重要性:医療事務は実務経験が重視される職種です。初めは簡単な業務から始め、徐々に専門的な業務を任されることが一般的です。未経験でスタートした場合でも、実務経験を積むことでスキルアップが可能です。
・コミュニケーション能力:医療事務は、患者さんや医療スタッフとのコミュニケーションが重要な仕事です。コミュニケーション能力が高いことをアピールすることで、未経験でも採用されやすくなります。
医療事務は、医療現場を支える重要な役割を果たす仕事です。必要なスキルを身につけ、資格を取得することで、安定した職場でやりがいを感じながら働くことができます。未経験や資格なしからでも挑戦可能なため、興味のある方はぜひチャレンジしてみてください。独学でも合格は可能なので、自分に合った学習方法で目標を達成しましょう。