会社やビルの中で地震が起きたら?労災は適用できる?

会社やビルの中で地震が起きたら?労災は適用できる?

能登半島地震】から約1週間が経ちました。まだ石川県周辺では活発な地震活動が続いています。日本は4つのプレートの上に乗っているような状態で、頻繁に地震が発生しやすい国です。地震は予測が難しく、必ずしも自宅にいる際に地震が起こるとは限りません。出勤中や会社内で地震が起こった際の対応を確認しておくことも重要です。本記事では、通勤で使う電車の中やオフィス内で地震が発生した場合の対処法と、労災認定に関する情報まで幅広く解説します。

会社やビルの中で地震が起きたら?労災は適用できる?

地震発生中・発生後の対応をケースごとに解説

<ケース1:出勤前に自宅で地震が発生した場合>

地震の揺れを感じたら、先ずは丈夫な机の下に隠れる避難口の確保火の後始末を行うなどの自分の命を守る行動を行いましょう。

出勤準備中に自宅で地震が発生し、出勤するべきかどうか分からない場合は速やかに会社の指示を待ち、安否確認や出勤すべきかどうかの確認を行います。災害時は電話やメールがつながりにくくなる可能性が高いので、メッセンジャーアプリ(LINEやSkype)やチャットワーク、Slackなどを活用し、スムーズに連絡を取り合えるように事前に社内で話しておきましょう。強い地震が起きた場合は特に、津波などの二次災害に気を付けながらの行動が大切です。最寄りの交通機関が停止する可能性もあるので、ラジオやテレビで情報を入れておくようにしましょう。

<ケース2:出勤・帰宅途中に地震が発生した場合>

【電車】強い揺れを感じると電車は自動で停止します。椅子に座っている場合は、足を踏ん張って状態を前かがみになりましょう。雑誌やカバン等で頭を保護し落下物などに注意が必要です。立っている場合も座っている時と同様に落下物で頭をぶつけないように気を付けましょう。将棋倒しにならないように、つり革や手すりに摑まり係員の指示を待ちましょう。

【バス】緊急停止(急ブレーキなど)で衝撃や後続車からの突撃がある可能性もあります。座っている場合は前かがみになり、前の座席の背もたれをしっかりと掴み体を固定しましょう。立っている場合はつり革やシートの手すりを掴む、またはしゃがみこんで座席の足など固定されているものを掴み身を守りましょう。揺れが収まっても慌てて外に飛び出したりせず、運転手の指示に従いましょう。

【車やバイク】地震が起きていると感じたら、ハンドルから手を放さず、ハザードランプをつけながら減速しましょう。周りの状態や道路の状況を確認しながら道路の左側に寄って停止しましょう。急ブレーキなどを行うと後続車からの衝突事故の可能性があります。冷静に対応しましょう。

外を歩いている際も崩壊の可能性がある建物や落下物の危険を避け、建物やビルから離れた広い場所へ移動しましょう。(避難場所に指定されている、公園や学校など)

<ケース3:オフィス内で勤務中に地震が発した場合>

①丈夫な机の下などに隠れ、落下物から身を守る
第一波などの強い揺れの直後は、丈夫な机の下に隠れ落下物から身を守ることが大切です。机の脚を手で支え揺れが収まるのを待ちましょう。この際にクッションやカバンやヘルメットなどで頭を保護できるとさらに良いです。近くに机が無い場合は、大きな柱の近くに移動して頭を守るようにしてください。避難場所を探す場合は割れて怪我をする可能性があるので、窓際からは離れるようにしてください。

②大きな揺れが収まったら、慌てず指示に従う
フロアの責任者やリーダー、防災管理者の指示に従い次の行動を取ります。安全を確認後、自分の避難経路を確保(窓やドアを開ける)することも大切です。従業員数が多い会社であると、小さな出入り口で混雑する場合もあるので、落ち着いて連携を取りながら次の行動を取りましょう。外壁や看板が落ちてきたりという危険もあるので、勝手に慌てて外に出るのも危険です。

【固定されていないオフィス機器に注意!】
オフィス内にはデスク、コピー機、パソコン機器、収納棚などが固定されないまま配置されている場合が多くあります。地震が発生すると、 これらのオフィス機器が動き、凶器となり怪我などにつながるケースもあります。地震発生時にはキャスター付きの棚など固定されていないオフィス機器に気を付けましょう。

<ケース4:会社のエレベータ内で地震が発生した場合>

避難にエレベーターを使用しないのは基本ですが、もしエレベーターに乗っている時に地震が発生した場合の行動についても考えておきましょう。エレベーターの多くは震度5以上の揺れを感知した場合に自動停止するようになっています。この時、停電も同時に起こる可能性が高いので、その場合エレベーターに閉じ込められてしまいます。

もし、自動停止前であれば少しでも揺れを感じたら、すべての階のボタンを押し、最初に停止した階に速やかにおりましょう。閉じ込められても、緊急通報用のインターフォンがつながれば通報後、救助を待ちましょう

【狭い空間だからこそ、協力し落ち着こう】
停電でインターフォンが繋がらない場合や、通報できても救助までの通路が塞がれていて長時間エレベーターに閉じ込められる可能性もゼロではありません。数人で乗っている場合は声を掛け合いながら、とにかく落ち着きを保つことが大切です。

会社でも災害への備えを

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様々な災害状況を想定し備えることが大切です。

・初動対応や災害対応マニュアルを確認しておく
防災責任者や一緒に働く仲間と日ごろから災害時の対応について話をしておきましょう。東日本大震災の直後に大人数が一斉に帰宅しようとして大混乱が生じた経験から、災害直後の一斉帰宅を抑制する動きが強まりました。これにより企業側で準備のある防災用品の確認を行うことはもちろん、会社に寝泊まりをする可能性もあるので自分自身でも、もしもに備えた防災の準備を出来ればなおさら良いでしょう。

・会社周辺のハザードマップを把握しておく
帰宅できないだけではなく、会社のビルに倒壊の危険などがある場合は避難を余儀なくされる可能性もあります。自宅の周りの避難場所は知っていても、会社の周りの避難場所は知らない人が多いのではないでしょうか?避難場所や病院を把握しておくことも役に立ちます。

・固定できるものは固定しておく
倒れて怪我をしたり、脱出経路をふさいだりしてしまうものがないか事前に確認し固定しておきましょう。

・消火器や消火栓も確認
どの建物にも必ず設置され散る消火器の場所、把握できていますか?すぐに対応できるよう消火器や消火栓の場所も把握しておきましょう。

地震に関する労災認定

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基本的に労災給付は、業務災害【「業務上の」負傷など】か、通勤災害【「通勤による」負傷など】に対して支給されるものです。地震は自然現象なので、一見、業務災害や通勤災害にはあたらないようにも思えますが、業務中に地震が発生し、怪我をした場合でも労災と認めらる可能性が高いです。

仕事中に地震や津波に遭い、ケガをされた(死亡された)場合には、通常、業務災害として労災保険給付を受けることができます。これは、地震によって建物が倒壊したり、津波にのみ込まれるという危険な環境下で仕事をしていたと認められるからです。「通常」としていますのは、仕事以外の私的な行為をしていた場合を除くためです。(参照:厚生労働省/東北地方太平洋沖地震と労災保険Q&Aより抜粋)

状況などにより異なる場合がある為、確認が必要です。厚生労働省のページにて詳しく解説されています。

どのような場所・状況でも冷静に落ち着いて対応することが重要です。ラジオやテレビでの情報収集や災害対応マニュアルの確認を通じ、適切な避難行動を心がけましょう。会社やビルでの地震対応においても、正しい知識と行動が安全を確保する鍵となります。

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