派遣保育士とは?派遣社員として働く【保育士編】

派遣保育士とは?派遣社員として働く【保育士編】

1.派遣保育士とは

派遣保育士とは、保育士の資格を持ちながら、派遣会社を通じて保育施設での仕事を行う人のことです。一般的な保育士が保育施設と直接契約を結ぶのに対し、派遣保育士は派遣会社と契約を結びます。ここでは、派遣保育士の特徴や魅力、働き方について詳しく解説します。

派遣保育士とは?派遣社員として働く【保育士編】

2.派遣保育士と正社員・パートの違い

派遣保育士と正社員やパートとして働く保育士との違いは、雇用主となる組織が異なる点です。通常の保育士は保育施設に直接雇用されますが、派遣保育士は派遣会社が雇用主となります。この違いにより、勤務条件や福利厚生などが異なる場合があります。

例えば、派遣保育士は自身の希望やライフスタイルに合わせて勤務時間を柔軟に調整することができます。フルタイムから短時間まで、様々な働き方が可能です。また、派遣保育士は派遣会社を通じて様々な施設で働くことができるため、経験を幅広く積むことができる利点もあります。

3.派遣保育士はこんな人にお勧め

3-1.自分の都合に合わせて働きたい方

育児や家庭の都合に合わせて柔軟に働きたい方には派遣保育士が最適です。特に、子育て中で働く条件に制約がある方や、保育士としての仕事に復帰したいが条件に合う求人が見つからない方に適しています。

3-2.保育士未経験やブランクがある方

保育士の資格を持っているが、実務経験がない場合やブランクがある場合でも、派遣保育士としての仕事を始めることができます。派遣会社がサポートを提供し、未経験者でも安心して仕事に取り組むことができます。

3-3.求人内容と実際の仕事内容が異なる経験がある方

過去に求人内容と実際の仕事内容が異なる経験がある方も、派遣保育士としての働き方を検討してみてはいかがでしょうか。派遣会社は派遣先の調整や変更をサポートし、より適切な職場環境を提供してくれます。

4.派遣保育士の給与相場

給与形態は時給制です。お住まいの地域や担当業務、保育施設によって異なりますが、時給は一般的に1200円から1800円程度となります。残業代は適切に支給され、毎月の給与は正社員よりわずかに高くなることがあります。ただし、ボーナスは支給されないため、年収は正社員と比較して低くなる傾向があります。

保育士の平均給与
*平均年齢:38.8歳
*平均勤続年数:8.8年
*平均月給:26.68万円(男性27.79万円、女性26.61万円)
*平均賞与:71.21万円
*平均年収:391.37万円(26.68万円×12ヶ月+71.21万円)
出典:令和4年賃金構造基本統計調査

保育士(正職員) 保育士(派遣保育士)
時給 1,588円※ 1,200~1,800円程度

※保育士の正職員の平均月収は26.68万円、1日8時間、月に21日勤務とすれば時給1,588円になります。時給相場で考えると、保育士の正職員と派遣はそれほど大きな違いがないということが言えそうです。

5.派遣保育士のメリット

*サービス残業がない
派遣の場合、残業時間の扱いは派遣会社によって異なりますが、一般的には5分単位や15分単位で残業代が支払われます。一部の派遣会社では1分単位で支払われるため、サービス残業の発生はほぼないと言えます。また、残業をしたくない場合には、派遣先を選ぶ際に残業不可という条件を提示することも可能です。

*仕事の持ち帰りがない
多くの場合、派遣保育士の仕事は保育園などの施設で完結します。書類作成などの業務はほとんどが正社員の仕事とされ、持ち帰りが必要な場合でも勤務時間外の仕事としてカウントされません。そのため、家に仕事を持ち帰る必要性は少なく、仕事とプライベートのバランスを保ちやすいでしょう。

*人間関係のストレスが少ない
派遣先の保育園において、人間関係や職場の雰囲気が不満足な場合もありますが、派遣保育士にとっては比較的ストレスが少ない環境を見つけることが可能です。派遣契約の期間が短いため、長期間我慢する必要がなく、派遣会社を通じて他の派遣先を紹介してもらうこともできます。

*幅広い経験を積める
派遣保育士は様々な保育施設で働く機会があります。企業内保育や病児保育、認定こども園など、さまざまなタイプの施設で経験を積むことができます。この経験は将来的に正社員として働く際に役立ちます。

*派遣会社のサポートが受けられる
派遣保育士は派遣会社を通じて仕事を受けるため、辞めたいと思った際には派遣会社に相談するだけで済みます。派遣先の職場環境の改善や契約内容についての交渉も派遣会社が代行してくれるため、保育士自身が直接抱えることはありません。

6.派遣保育士のデメリット

*ボーナスが支給されない
派遣保育士はボーナスが支給されないことが一般的です。これは派遣労働者が正社員と同じ労働条件を受けられるよう求められる「同一労働同一賃金」の観点から、正社員とは異なる待遇とされています。ただし、一部の派遣会社ではボーナスが支給される場合もありますので、派遣会社選びの際に確認してみてください。

*収入が不安定
派遣保育士の給与は時給制であり、休みが多い月には収入が少なくなる傾向があります。正社員とは異なり、給与が一定でないため、収入の安定を求める場合は考慮すべき点です。

*やりがいを感じにくい
派遣保育士は派遣契約の期間が短いため、担任としての責任を与えられる機会が限られることがあります。また、短期間での雇用という性質上、補助的な仕事を担当することが多く、やりがいを感じにくいと感じることがあります。

*契約更新できるとは限らない
一般的に派遣契約は期間が定められており、その期間終了後に契約が更新されるかどうかは派遣会社や派遣先の判断に左右されます。良好な関係であっても契約更新ができない場合があり、再就職の不安を抱えることもあります。

*契約期間中には辞めにくい
派遣契約は期間が定められているため、契約期間中に辞めることは一般的に困難です。健康上や家庭の事情など、やむを得ない理由があっても、契約期間内での辞めることは難しい場合があります。

7.派遣保育士は2タイプ

7-1.登録型派遣

登録型派遣とは、派遣会社に登録をして派遣先で派遣社員として勤務する働き方です。この形態では、派遣会社の登録手続きを経て、派遣先での仕事を探します。契約期間が決まっており、終了するまでには契約の更新や満了といったプロセスがあります。具体的には、派遣会社の担当者と話し合い、契約の更新や派遣先の変更などを調整します。効率良く派遣保育士の仕事を探すのであれば、2~3社の登録がおすすめです。

登録型派遣の特徴は以下の通りです。

*柔軟性:
派遣保育士は派遣会社との契約形態であり、派遣先や勤務条件を柔軟に選択することができます。自身のライフスタイルや希望に合った働き方を見つけることができます。

*契約更新の可能性:
契約期間が決まっているものの、良好な業績や需要の変化などにより、契約の更新が可能な場合があります。継続的な仕事を望む場合には、契約の更新を目指すこともできます。

7-2.紹介予定派遣

紹介予定派遣とは、派遣社員として一定期間(通常は3ヶ月や6ヶ月)勤務し、その後派遣先の要望や派遣社員の同意があれば、派遣会社の介在なしに直接雇用される形態の派遣です。つまり、派遣先での仕事を経て、最終的には派遣会社を介さずに直接雇用される正社員や契約社員として働くことになります。

紹介予定派遣の特徴は以下の通りです。

*雇用形態の変化:
派遣先と派遣社員の双方の合意があれば、派遣社員から直接雇用される正社員や契約社員として雇用されることが可能です。これにより、雇用形態が派遣から正社員などへと変わることで、雇用安定や福利厚生の面でのメリットが得られる場合があります。

*書類選考や面接の実施:
派遣先として働く前には、派遣会社と派遣先の双方で書類選考や面接が行われることがあります。派遣先によっては、派遣社員として働く前に面接を受ける必要がある場合もあります。

8.紹介予定派遣で働くメリット

*職場の雰囲気を実際に体感できる
保育士として働く際、職場の雰囲気や風土は非常に重要です。求人サイトや面接では表面的な情報しか得られませんが、実際に働いてみないと把握できない部分もあります。紹介予定派遣の場合、派遣雇用期間中は試用期間として働くことができます。この期間を利用して職場の雰囲気を確かめることができるため、入社後の不安を減らすことができます。

*入社後のミスマッチが少ない
派遣社員として働いている間に、現場の状況や職場の文化を直接体験することができます。これにより、自分に合っているかどうかを判断しやすくなります。そのため、直接雇用後でも自分の希望と保育園が求めるものとのミスマッチを避けることができます。

*スキルに見合った給与交渉が可能
直接雇用にあたり、給与面や雇用条件などで交渉する必要があるかもしれません。しかし、個人で交渉するのは難しい場合があります。紹介予定派遣を利用すれば、派遣会社が交渉を行ってくれます。自分のスキルや経験に見合った給与や雇用条件の交渉が可能になります。

9.紹介予定派遣で働くデメリット

*正社員登用が保証されない場合もある
紹介予定派遣は直接雇用が条件ですが、必ずしも正社員登用とは限りません。契約内容や業界の状況によっては、派遣社員のままでの雇用継続となる場合もあります。正社員として働きたい場合は、事前に直接雇用後の雇用形態を確認することが重要です。

*保育園側の同意が必要
直接雇用に移行する際には、労働者と保育園側の双方の合意が必要です。そのため、保育園側からの同意が得られなければ直接雇用へ移行することができません。

*雇用条件が変わる場合もある
紹介予定派遣中は、派遣会社との雇用契約に基づいて労働条件が決まります。しかし、直接雇用になる場合、雇用主が保育園側に変わるため、雇用条件も変更される可能性があります。この変更により、給与や勤務条件が異なる場合があるため、事前に確認が必要です。

派遣保育士とは?派遣社員として働く【保育士編】

10.まとめ

保育士としてのキャリアを考える際には、派遣という働き方も一つの選択肢として視野に入れておくと働き方の幅が広がります。ただし、派遣保育士として働くことは、簡単に決めるべきではありません。デメリットも含めて検討した上で、残業や持ち帰りの仕事がない、自分の希望に合わせて柔軟に働ける、様々な保育園で経験を積みたいといったメリットがあることを理解する必要があります。生活と仕事のバランスを考えながら、自身に最適な働き方を選択してください。

 

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