働きやすい企業の基準は人によって異なりますが、多くの人が求める条件は、単に高い給与だけではありません。現代の労働者は、仕事と生活のバランスや職場環境の質にも重点を置いています。また、職場環境だけではなく、企業が提供する福利厚生は、社員の満足度やモチベーションに大きな影響を与える重要な要素です。この記事を、自分の働き方を見直すための参考にしてみてください。
働きやすい職場環境とは?
働きやすい企業は、多様なニーズに対応した柔軟な働き方を提供し、社員のことを考えた制度を充実させています。人間関係など細かい自分とのマッチ度は、実際に入社して自分で体感しないと分からない部分もありますが、求人情報や面接時の質問で把握できるものを、具体例を交えて解説します。
1.柔軟な労働が可能
在宅勤務やフレックスタイム制、時差出勤、時短勤務など。働き方の選択肢を幅広く提供することで、仕事と家庭を両立できる環境を作ることが出来ます。在宅勤務用のデバイスやインターネット費用をサポートしているなど設備に対する投資もしっかり行われていると尚良いでしょう。
2.従業員の健康を考えている
健康診断の充実、ジムの割引、メンタルヘルスサポートなど、社員の健康をサポートする施策を提供しているのももちろんですが、適正な労働時間や休暇が設定されている、残業をしない、仕事を持ち帰らせない取り組みなども健康管理・健康改善の取り組みに含まれます。
3. 教育制度が充実している
新人研修制度、役職研修制度、資格取得支援、キャリアカウンセリングなど、社員の成長を支援する制度を整えています。例えば資格取得のための費用を全額補助している、資格を取得した際にお祝い金・合格報奨金が支給される場合もあります。
4. 社内の風通しのよさ
定期的なミーティングを実施したり、開放的なオフィス作りなど意見を自由に言える環境が作られています。社内イベントなどが無くても上司や先輩と自由に意見を交換ができる雰囲気があります。ハラスメントに対する相談窓口が設置されるなどの取り組みも行われています。
5. 公正な評価制度とキャリアアップの機会
同一労働同一賃金が徹底されていることはもちろん、明確な評価基準を設け、公正な評価を行うことで、社員のモチベーションを高めます。
福利厚生の目的
福利厚生とは、給与や賞与とは別に、企業が従業員とその家族に提供する健康や報酬(生活へのサービス)のことです。法定福利厚生と法定外福利厚生があり法定外福利厚生は企業が独自に設定できるもので、具体的な内容や導入方法は企業の方針や規模、業種によっても異なります。
法定福利厚生は法律で定められています。健康保険・介護保険・雇用保険・厚生年金保険・子ども子育て拠出金の6種です。
人気の高い福利厚生
では、従業員の満足度や働きやすさ向上の為に重要な要素である法定外福利厚生はどんなものが人気なのでしょうか?
・フレックスタイム制・リモート勤務
コロナウイルスの流行以降、特に若い世代を中心に働き方の見直しが行われ、柔軟な働き方を好む傾向があります。フレックスタイム制度やリモートワークオプションを提供する企業は、働く人々のニーズに合った働き方を実現しやすく、人気を集めています。
・家賃補助・住宅手当
従業員が安定した生活を送り、仕事に集中するための基盤を提供する制度として人気があります。家族や住まいに関する心配事を減らすことで、従業員のストレスを軽減し、生産性や満足度を向上させる効果も期待されます。
・特別休暇・長期休暇
従業員がリフレッシュし、仕事とプライベートのバランスを取るための重要な要素として重視されています。多くの企業が取り入れているのでこの福利厚生が無いと就職検討の対象外になるという方も多いのではないでしょうか。
・旅行・レジャーの優待
特に若い世代や多忙な従業員にとって、旅行やレジャーはストレス解消やリフレッシュに役立ちます。従業員が仕事とプライベートのバランスを取りやすくなります。休暇を楽しむことで、仕事へのモチベーションも向上します。
・社員食堂・食事補助
食事は従業員の健康や満足度に直接影響を与える重要な要素であり、そのため企業が食事に関する支援を提供することは、従業員の生活の質を向上させる効果が期待されます。様々な食材が値上がりしている昨今、食費を節約することができるのも人気な理由です。
福利厚生の見直し
現状の福利厚生に満足していない場合、福利厚生の見直しが行われることはあるのでしょうか?一部の企業では、従業員が福利厚生を一定の範囲内で選択できる制度を導入している場合があります。これは、フレキシブル・ベネフィット・プラン(FBP)やカフェテリア・プランと呼ばれ、従業員が自分のニーズやライフスタイルに合わせて福利厚生を選択することができるようになっています。しかし、一般的には福利厚生の変更は企業の方針や制度に基づいて行われるため、従業員が直接変更することは難しいです。
企業はどうやって見直しを行うの?
福利厚生の見直しは企業が従業員のニーズやライフステージの変化、市場の動向などに合わせて、見直すことが一般的です。以下は、福利厚生の見直しを行う際の一般的な手順やポイントです。
1.従業員のニーズの調査
福利厚生の見直しを行う前に、従業員のニーズや要望を把握することが重要です。アンケート調査や面談などを通じて、従業員の声を収集し、現状の福利厚生制度の評価を行います。
2.福利厚生制度の評価
現行の福利厚生制度を客観的に評価し、効果的かどうかを検証します。給与水準や労働環境、競合他社との比較などを考慮して、改善の余地があるかどうかを判断します。
3.目標の設定
福利厚生の見直しにあたって、具体的な目標を設定します。従業員の満足度向上、人材の確保と定着、生産性の向上など、企業の戦略や目標に合わせて目標を設定します。
4.制度の改善や新規導入
従業員のニーズや目標に基づいて、福利厚生制度を改善したり、新たな制度を導入することがあります。例えば、柔軟な勤務制度の導入や健康促進プログラムの強化、教育支援制度の拡充などが考えられます。
5.実施と評価
見直しや改善策を実施した後は、効果を定期的に評価し、必要に応じて修正や改善を行います。従業員からのフィードバックや業績指標の分析などを通じて、福利厚生制度の効果を確認し、適切な対策を取ります。
働きやすい企業を選ぶ際には、給与だけでなく福利厚生や働く環境も重要なポイントです。働きやすい環境や福利厚生が整っている企業は、社員の満足度や生産性も高く、優秀な人材も集まりやすいので、職場の雰囲気も良い傾向にあります。就職や転職の際には給与や勤務時間、休日など、基本的な条件を見ることも大事ですが、細かい福利厚生や会社ならではの取り組みも確認してみてはいかがでしょうか?