1．ソーシャルリクルーティングとは？
ソーシャルリクルーティングとは、近年急速に広がりを見せる採用手法の一つです。従来の求人広告や採用イベントに加えて、企業はSNSを活用し、直接候補者と交流を図り、採用活動を展開しています。この手法は、LINE、X（旧Twitter）、InstagramなどのSNSを介して、ブランディングや認知度の向上、求人情報の発信、積極的なスカウトなどに利用されます。
2．ソーシャルリクルーティングが注目されるようになった背景
ソーシャルリクルーティングが注目される背景には、デジタル技術の進化と共に、情報収集や意思決定のプロセスが変化してきたことが挙げられます。
従来の検索エンジンによる情報収集から、SNS上のリアルな声や体験談を重視する傾向が顕著になりました。特に、Z世代を中心に、SNSを通じた情報収集が一般的になり、就職活動においても重要な役割を果たすようになりました。
株式会社No Companyの調査によれば、Z世代の就活生の57.2%がSNSを活用して就職活動を行っています。「まずはSNSで調べてみる」「リアルな情報を求める」という彼ら彼女らの行動を、ソーシャルリクルーティングに取り入れることで、より効果的な人材獲得が可能となっています。
3．6大SNSサマリー
SNSは、現代社会においてコミュニケーションの主要な手段となっています。以下では、日本および世界で特に人気のある6つの主要なSNSを紹介します。
3-1．LINE
月間ユーザー数：8,900万人
LINEは日本において最も利用者数が多いSNSです。その利用者は、50代以上が最も多く、次いで40代、30代の層が多いことが特徴です。若年層よりも高齢層に広く普及しており、特に日常生活での連絡手段として定着しています。
3-2．Facebook
月間ユーザー数：2,600万人
Facebookは世界で最も利用者数が多いSNSの一つです。日本においては、主に30代から40代がメインユーザーとなっています。そのため、10代の利用率は低く、Z世代へのアプローチには向いていません。
3-3．Instagram
月間ユーザー数：3,300万人
Instagramは、Facebook傘下の画像や動画投稿に特化したSNSです。主なユーザーは20代から30代の女性で、男性比率も約40%となっています。ビジュアルを重視する企業やブランドにとって、自社の世界観を訴求するためのプラットフォームとして有用です。
3-4．X(旧Twitter)
月間ユーザー数：4,500万人
Xは、ワンタップで投稿をシェアできるリツイート機能により、爆発的な拡散が期待できるSNSです。ユーザーは20代が最も多く、男性比率が高い傾向にありますが、20代の女性ユーザーも多いことが特徴です。
3-5．YouTube
月間ユーザー数：6,500万人
YouTubeは世界で最も人気な動画配信プラットフォームであり、10代から40代まで幅広い年齢層に利用されています。Google傘下であるため、ビッグデータを活用した広告配信が可能であり、企業やクリエイターにとって重要なプラットフォームです。
3-6．TikTok
月間ユーザー数：1,690万人
TikTokは15秒から1分のショートムービーを作成・視聴できる縦長の短尺動画プラットフォームです。主な利用者は10代から20代であり、若年層を中心に急速に普及していますが、近年では高年齢層のユーザーも増加しています。
4．情報収集はリクナビよりもTwitterやYouTube？
4-1．SNSを利用する就活生の割合
調査によると、就職活動においてSNSの検索機能を使用して情報収集している学生は55.2%に上ります。これは、半数以上の就活生がSNSを活用して企業情報を収集していることを示しています。この数字は今後も増加の一途をたどると予想されます。
4-2．ソーシャルリクルーティングの選択
SNS上でのソーシャルリクルーティングを行う際、長文の記事が載せられる採用関連メディアやnoteよりも、掲載文字数が少ないSNSが上位に来る傾向があります。特にYouTubeでは倍速視聴が可能であり、就活生のタイムパフォーマンス志向に合致しています。企業が情報発信を行う際には、SNS上での短尺動画や簡潔な情報が有効であることが分かります。
4-3．効果的なソーシャルリクルーティングのポイント
就活生は、企業の情報だけでなく、カジュアルな情報も含めて自身の入社後のイメージを形成したいと考えています。SNS上での情報発信は、企業のカルチャーや働き方、人間関係などをよりリアルに伝えることができるため、効果的なソーシャルリクルーティングのポイントと言えます。
4-4．情報フォーマット
従来の「テキスト」に代わり、SNS上での情報発信では「画像」と「短尺動画」が重要視されています。特に、ビジュアルで世界観を表現するInstagramやX（旧：Twitter）での画像コンテンツが注目されています。また、文字情報を載せた画像コンテンツも多く含まれており、多様な情報形式が求められています。
5．ソーシャルリクルーティングを成功させるためのポイント
ソーシャルリクルーティングは、現代の採用活動において欠かせない要素となっています。しかし、成功するためには適切な戦略と準備が必要です。以下では、ソーシャルリクルーティングを成功させるためのポイントを紹介します。
5-1．ターゲットにマッチしたSNS選定
SNSの利用率は年齢層によって大きく異なります。企業が求める人材層やターゲットとする年齢層に合わせて、適切なSNSを選定することが重要です。
例えば、ビジュアル訴求が得意なInstagramは若年層に人気がありますが、中途採用で30代～40代の男性をターゲットとする場合、Twitterの方が効果的かもしれません。自社のターゲット層に合わせて最も効果的なアプローチができるSNSを選びましょう。
5-2．目的を明確にしたコンテンツ作成
SNSを利用する目的を明確にし、それに合ったコンテンツを作成することが重要です。何のためにSNSを利用するのか、どのような情報を発信するのかを明確にしておくことで、効果的な情報発信が可能となります。自社の採用課題や魅力を考慮し、ユーザーが共感しやすい内容を企画しましょう。
5-3．継続的な発信
SNSでは新着情報がすぐに埋もれてしまうため、継続的な情報発信が必要です。定期的にコンテンツを更新し、フォロワーとのコミュニケーションを活発化させることで、SNS上での存在感を高めることができます。運用やコンテンツ制作に十分なリソースを確保し、、中長期的な視点でソーシャルリクルーティングに取り組むことも重要です。
6．まとめ
ソーシャルリクルーティングは、企業のブランディングや採用広報にとって有効な手段です。しかし、成功するためにはターゲットにマッチしたSNSの選定や目的を明確にしたコンテンツ作成、継続的な情報発信が不可欠です。
学生のニーズに合ったフォーマットで共感を呼び、自社の採用課題やターゲットに合わせた戦略を立てることで、競合他社との差別化が可能となります。しっかりとした戦略を持って、ソーシャルリクルーティングに取り組みましょう。
